二酸化炭素除去

Carbon Dioxide Removal (CDR)

大気中のCO2を人為的に回収し、地質・陸域・海洋の貯留層または製品の中に永続的に貯留する活動の総称。発生源での排出削減とは区別される概念で、削減が困難な残余排出の相殺と、正味で負の排出を実現する経路の両方を担う。手法により貯留の耐久性と計測の難しさが異なる。

詳細

概要

IPCC第6次評価報告書第3作業部会は、二酸化炭素除去(CDR)を「大気からCO2を除去し、地質・陸域・海洋の貯留層、あるいは製品の中に永続的に貯留する人為的活動」と定義している。発生源での排出削減とは別枠の概念であり、削減が技術的または経済的に困難な残余排出を打ち消す手段として位置づけられる。

技術的な要点

CDRを名乗るには、大気からの除去と、除去した炭素の永続的な貯留の二つを同時に満たす必要がある。植林や土壌炭素蓄積のような生物的手法、BECCSやDACCSのような回収・地中貯留型の手法、風化促進のような地球化学的手法に大別される。手法によって貯留の耐久性は数十年から数千年以上まで幅があり、除去量の計測精度も大きく異なる。したがって除去トン数だけを横並びに比較することはできず、耐久性と検証可能性を合わせて評価する必要がある。

産業での位置づけ

IPCCが示す緩和経路の多くはCDRの導入を織り込んでいる。投資の観点では、除去能力そのものより、貯留の永続性、MRVの成立性、炭素1トンあたりのコスト低減の見通しが評価軸になる。クレジット市場では耐久性の高い除去に高い価格が付く傾向がある。