Induced pluripotent stem cell (iPSC)
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の説明によれば、iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、皮膚や血液などの体細胞にごく少数の因子を導入して培養することで、さまざまな組織や臓器の細胞に分化する能力と、ほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞へと変化させたものである。
山中伸弥教授のグループは、ES細胞で特徴的に働く4つの遺伝子(Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc)を特定し、レトロウイルスベクターを用いてマウスの皮膚細胞に導入した。この初期化(リプログラミング)によって多能性幹細胞が得られる。マウスのiPS細胞は2006年に世界で初めて報告され、ヒトのiPS細胞は2007年11月に作製された。CiRAは特徴として、採取しやすい体細胞から作製できること、患者自身の細胞から作った細胞を移植した場合に拒絶反応が起こりにくいことを挙げている。
CiRAは応用領域として、患者由来のiPS細胞から病気の状態の細胞を作り、薬剤の有効性や副作用、毒性を評価する創薬研究と、失われた機能の回復を目的とする再生医療を挙げる。実用化にあたっては、目的の細胞への分化誘導の効率、細胞の品質の均一性、製造工程の管理が要点となる。