Long-duration energy storage (LDES)
長時間にわたって放電を続けられる蓄電技術の総称。米国エネルギー省は、LDESを「10時間以上にわたり電力を供給できる貯蔵システム」と定義している。太陽光や風力の日内変動を超える需給ギャップを埋める役割が期待される区分である。
数時間規模の蓄電と長時間の蓄電では、コスト構造が異なる。セルの積み上げで容量を増やす方式では、放電時間を延ばすほど設備費がほぼ比例して増える。これに対し、出力を担う部分とエネルギーを蓄える部分を構造的に分離できる方式では、放電時間を延ばす限界費用が小さくなる。この違いが、長時間側で異なる技術系統が検討される理由になっている。評価軸は、出力あたりの設備費とエネルギーあたりの設備費、往復効率、自己放電、立地制約、寿命である。往復効率が相対的に低くても、貯蔵部分の単価が十分に低ければ長時間側では成立しうる。
米国エネルギー省はLDESを独立した支援区分として扱い、地域ごとに異なる条件に対応できるよう多様な技術類型を対象に実証を支援している。商用化までの距離を詰める段階にある技術が多く、公的資金による実証が事業計画の前提になっている場合がある。投資判断では、狙う放電時間帯を先に定義しなければ競合相手が特定できない。4時間市場と100時間市場では比較対象がまったく異なる。