量子誤り訂正

Quantum error correction (QEC)

複数の物理量子ビットで1個の論理量子ビットを構成し、状態そのものを壊さずに誤りの兆候だけをスタビライザー測定で取り出して訂正する技術。代表的な表面符号は2次元配列と近接結合だけで実装でき、1操作あたり約1%までの誤り率を許容できるとされるが、論理量子ビット1個あたり多数の物理量子ビットを要する。

詳細

概要

Fowlerらの論文(Physical Review A 86, 032324, 2012)が扱う表面符号は、可換なスタビライザー演算子の完全な組を繰り返し測定することで、系をそれらすべての同時固有状態に強制する。この測定は量子ビットの情報そのものではなく誤りの兆候だけを取り出すため、状態を壊さずに訂正できる。

技術的な要点

表面符号の要点は、2次元に並べた物理量子ビットと近接する量子ビット間の結合だけで構成できることにある。同論文はこの単純な物理レイアウトを理由に、表面符号を固体素子で量子計算機を構築する最も現実的な手法の一つと位置づけている。誤り耐性は閾値で決まり、同論文は1操作あたり約1%という比較的高い誤り率まで許容できると述べている。

産業での位置づけ

代償は物理量子ビットの数である。同論文は、論理量子ビット1個の実装に最低13個の物理量子ビットが必要であり、実用に足る誤り耐性をもつ論理量子ビットには10の3乗から10の4乗個規模の物理量子ビットが必要になると見積もっている。したがって、搭載物理量子ビット数だけでなく、誤り率と論理量子ビット数が実用段階への距離を測る指標になる。