REBCO系高温超伝導線材

REBCO Coated Conductor (REBCO)

希土類・バリウム・銅酸化物の超伝導層を、金属テープ基板と中間層の上に薄膜として形成した線材である。結晶方位を面内・面外の両方向で揃えることで粒界による電流阻害を抑え、高い臨界電流密度を得る。第2世代高温超伝導線材とも呼ばれ、強磁場マグネットに用いられる。

詳細

概要

柔軟な金属テープ基板の上に中間層(バッファ層)を介して希土類系銅酸化物超伝導体の薄膜を成膜した線材で、第2世代高温超伝導線材とも呼ばれる。文献では「基板と中間層があらゆる形態のコーテッドコンダクタの担い手である」と位置づけられている。

技術的な要点

中間層は結晶方位を規定する下地であると同時に、超伝導層と金属基板の反応を防ぐ障壁として働く。超伝導層はc軸配向に加えて面内方位も揃った二軸配向が必要で、方位差の大きい粒界は弱結合となって電流を制限する。方位差がおよそ4〜6度未満であれば電流密度への影響は小さいとされる。配向を作り込む手法には、圧延と焼鈍で金属基板自体に集合組織を与えるRABiTSと、成膜中にイオンビームを照射して中間層を配向させるIBADがある。性能指標には超伝導層断面あたりの臨界電流密度に加え、基板を含めた実効的な工学的臨界電流密度が用いられる。

産業での位置づけ

液体窒素温度域で動作し、強磁場中でも電流容量を保つため、核融合装置のトロイダル磁場コイルや高磁場マグネット、電力機器の実用化を支える基幹材料となっている。

線材は薄いテープ状であるため、コイル化に際しては積層時の機械応力、常伝導転移が局所に留まりやすいことによる保護設計、交流損失の抑制が課題となる。