合成開口レーダ

Synthetic Aperture Radar (SAR)

移動しながら電波を送受信し、その信号処理によって実際のアンテナ寸法を超える分解能を得るレーダ。自ら電波を出すため夜間でも観測でき、マイクロ波の波長帯によっては雲や雨の影響も受けにくい。分解能と観測幅はトレードオフの関係にあり、災害対応や地表の継続監視に使われる。

詳細

概要

合成開口レーダは、飛翔体が移動しながら電波を送受信し、得られた信号を処理することで、実際のアンテナ寸法を超える分解能を得る観測方式である。JAXAの地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)には、Lバンド合成開口レーダのPALSAR-2が搭載されている。

技術的な要点

PALSAR-2はLバンドと呼ばれるマイクロ波帯(1.2GHz帯)の電波を使い、雲や雨の影響を受けにくく天候によらず観測できる。観測モードごとに分解能と観測幅が異なり、スポットライトモードは最高で1m×3m(アジマス方向×レンジ方向)の分解能、高分解能モードは分解能3〜10mで観測幅40〜70km、広域観測モードは分解能60〜100mで観測幅350〜490kmとなる。分解能と観測範囲は明確なトレードオフの関係にある。

産業での位置づけ

光学センサが使えない夜間や曇天でもデータを取得できるため、災害対応や定点監視の需要がある。ただし分解能を上げると観測幅が狭くなるため、広い範囲を高い頻度で見るには機数を増やす必要がある。この制約が、SAR衛星を複数機で運用する事業者の機体設計と資金計画を規定している。