Technology Readiness Level (TRL)
技術成熟度レベルは、ある技術がどの発展段階にあるかを1から9までの尺度で表す指標であり、NASAが体系化した。開発初期の科学的知見の段階から、実運用環境で実績を得た段階までを共通の物差しで表現することで、研究開発の進捗把握と資源配分の判断に用いられる。
NASAの区分では、TRL1〜2が基本原理の確認と概念の定式化にあたり、実験的裏付けはまだ限定的である。TRL3〜4で能動的な研究と設計が始まり、概念実証モデルの作製と構成要素の試験が行われる。TRL5〜6ではブレッドボード段階の技術が関連環境で厳しく試験され、完全に機能するプロトタイプが作られる。TRL7は実運用環境(宇宙分野では宇宙空間)でのプロトタイプ実証、TRL8は飛行実証を経て既存システムへ組み込める「flight qualified」の状態、TRL9はミッションでの運用を成功させた「flight proven」の状態を指す。段階の判定には、どのような環境で、どの構成要素まで含めて検証したかという条件の明示が伴う。
宇宙分野で確立した後、他分野の公的研究開発プログラムや調達仕様にも広く取り入れられた。スタートアップが自社製品の実証状況を示す際の共通言語となっており、TRL9は運用実績のある製品であることを意味する。