Tokamak
ドーナツ状の真空容器の周囲に配置した磁気コイルで高温プラズマを閉じ込める核融合装置。磁場閉じ込め方式の代表的な構成で、国際協力で建設が進むITERもこの方式を採用している。
核融合を起こすにはプラズマを約1億5,000万℃まで加熱する必要がある。燃料には重水素と三重水素(D-T)の反応が用いられる。ITERによれば、この反応は最も低い温度で最大のエネルギー利得が得られる組み合わせである。ITERは50MWの加熱入力に対して500MWの核融合出力を得ること、すなわち投入エネルギーの10倍にあたるQ=10を目標としている。比較として、欧州のトカマクJETは1997年に24MWの入力から16MWの核融合出力を得ており、このときのQは0.67であった。ITERのプラズマ体積は現在稼働中の最大のトカマクの5倍とされる。運転計画では2034年に水素および重水素プラズマでの研究運転を開始し、2036年に磁気エネルギーを全出力まで上げ、2039年に重水素・三重水素運転に入るとされている。
Q値はプラズマに投入した加熱電力に対する核融合出力の比であり、発電所全体の所内消費電力を含めた正味の収支とは別の指標である。民間の核融合企業を評価する際は、主張されているQがどの定義か、パルス長がどれだけか、装置構成が何かを分けて確認する必要がある。