HBM(広帯域メモリ)

High Bandwidth Memory (HBM)

DRAMダイをTSVで積層し、幅の広いインターフェースで接続して帯域を高めたJEDECのメモリ規格。HBM3(規格番号JESD238)では最大6.4Gb/sのデータレート、デバイスあたり819GB/sが定義され、4段から12段の積層に対応する。グラフィックス処理、HPC、サーバ向けとされる。

詳細

概要

DRAMダイをTSV(シリコン貫通電極)で縦に積み上げ、幅の広いインターフェースでつなぐことで帯域を稼ぐメモリ規格。JEDECが標準化しており、HBM3は規格番号JESD238として公開されている。JEDECは主な用途としてグラフィックス処理、HPC、サーバを挙げ、帯域、消費電力、面積あたり容量が重視される領域だとしている。

技術的な要点

JEDECの発表によれば、HBM3は最大6.4Gb/sのデータレート、デバイスあたり819GB/sを定義する。独立チャネル数はHBM2の8から16へ倍増し、1チャネルあたり2つの疑似チャネルを持つため実質32チャネルとして扱える。積層は4段、8段、12段のTSVスタックに対応し、将来の16段への拡張余地も規定されている。1メモリ層あたりの容量は8Gbから32Gbの範囲で、第1世代は16Gb層が想定されている。低電圧信号による省電力化と、オンダイECCによる信頼性向上も盛り込まれている。

産業での位置づけ

演算器の性能ではなくメモリ帯域が律速となる用途では、この規格に沿った積層メモリの供給量が計算システムの構築計画を左右する。TSV加工、ウェハ薄化、積層接合、積層後の検査といった後工程の比重が大きく、前工程の装置・材料だけでなく実装側にも需要が波及する。歩留まりが積層段数の増加に対して敏感である点も、供給を制約する要因になる。