CAR T-cell therapy (CAR-T)
NCIの解説によれば、CAR-T細胞療法では患者の血液からT細胞を分離し、製造施設で細胞表面にキメラ抗原受容体を発現するよう遺伝子改変する。改変したT細胞を数億個の規模まで増やし、単回の点滴として患者に戻す。採血から投与までにかかる期間は約3〜5週間とされる。
CARは、がんに関連するタンパク質(抗原)を認識して結合する人工の受容体である。NCIは2017年の小児・若年成人のB細胞性急性リンパ性白血病に対する承認を最初として、血液がんを対象に7つの製品が米国で承認されていると記載する。主な有害事象としてサイトカイン放出症候群(CRS)と免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)が挙げられ、CRSにはIL-6の働きを阻害するトシリズマブなどが用いられる。固形がんでの開発は血液がんに比べて進みが遅く、正常細胞に存在しない標的抗原の同定が難しいこと、腫瘍が作る分子がCAR-T細胞の働きや到達を妨げること、同じがん種でも患者ごと・腫瘍内で分子的な性質が異なることが障壁として指摘されている。
患者ごとに製造する自家細胞製品であり、細胞の輸送と製造能力が事業上の制約になる。NCIはドナー由来の細胞を用いる他家型(オフザシェルフ)の開発にも触れている。