Geostationary Orbit (GEO)
静止軌道は赤道上空の高度35,786kmにある円軌道である。ESAによれば、この高度の衛星は1周に23時間56分4秒を要し、速度は秒速約3kmになる。この周期が地球の自転と一致するため、地上から見た衛星の位置はほとんど変わらない。
静止軌道への投入では、静止トランスファ軌道(GTO)と呼ばれる遷移軌道を経由することが多い。ESAはGTOを静止軌道へ到達するための近道と位置づけ、衛星が遠地点である35,786kmに達した時点でエンジンを噴射して円軌道化すると説明している。衛星が空のほぼ同じ位置に見えるため、地上局は追尾機構を持たない固定アンテナで運用できる。なお低軌道は高度2000km以下、下限は180km程度とされ、周期は約90分である。
1機で広い範囲を継続的に見渡せるため、通信・放送や気象観測の基盤として使われてきた。一方で高度が高く、投入にGTOを経由する追加の推進が必要になるため機体は大型化しやすい。静止軌道の1機と低軌道の多数機では、カバレッジと通信距離の性質が異なるため、用途に応じて使い分けられる。軌道位置は赤道上の限られた帯域に集中するため、既存衛星の寿命を延ばせれば代替機の製造と打上げを先送りできる点にも経済的な意味がある。