軌道上サービス

In-Orbit Servicing (IOS)

軌道上にある宇宙機へ別の宇宙機が接近し、寿命の延長や燃料の補給、搭載機器の更新、軌道の変更などを行う事業領域。打ち上げ済み資産の運用期間を延ばし、後から機能を追加することを狙う。燃料を使い切った通信衛星に取り付いて軌道制御を代行する用途で、運用事業者の関心が高い。

詳細

概要

ESAは軌道上サービス(In-Orbit Servicing, IOS)を、すでに軌道上にある宇宙機の寿命または機能を延ばすことと定義している。具体的な作業として、保守、軌道の調整と位置変更、燃料の補給、搭載機器の更新や交換が挙げられる。

技術的な要点

サービス機はクライアント衛星に接近し、結合する必要がある。ESAは、将来の衛星に標準化されたドッキング構造を持たせ、異なるサービス機がさまざまな衛星に接続できるようにするための議論が進んでいると述べている。標準インタフェースがなければ、対象ごとに捕獲機構を作り分けることになり、事業として成り立ちにくい。

産業での位置づけ

ESAによれば、寿命延長サービスへの関心は通信衛星の事業者で特に高い。運用中の衛星は正確な軌道位置を保つために燃料を消費しており、サービス機が燃料切れの衛星に取り付いて必要な軌道制御を代行できるためである。ESAはAstroscale、ClearSpace、D-Orbit、Telespazio/Thales Alenia Spaceの4社に提案開発の資金を提供し、その後2件のミッションを選定した。IOSを一般的な手順とする時期は2030年代前半から半ばが目標とされている。