希少疾病用医薬品

Orphan Drug

患者数の少ない疾患を対象とする医薬品に与えられる制度上の位置づけである。米国では希少疾病用医薬品法に基づく指定により、対象となる臨床試験の税額控除、審査手数料の免除、承認後に最大7年間の市場独占権を得られる可能性といった優遇が受けられる。指定は承認そのものではない。

詳細

概要

FDAの説明によれば、米国の希少疾病用医薬品法(Orphan Drug Act, ODA)は、希少疾患またはその状態を治療する医薬品・生物学的製剤に対し、開発企業(スポンサー)の申請に基づいて特別な地位を与える制度である。この地位がオーファン指定と呼ばれる。

技術的な要点

FDAは、指定を受けたスポンサーが得られる優遇として、対象となる臨床試験に対する税額控除、ユーザーフィー(審査手数料)の免除、承認後に最大7年間の市場独占権が得られる可能性の三点を挙げている。指定は開発段階で与えられるものであって承認そのものではなく、製造販売の承認を得るには通常の審査で有効性と安全性の評価を受ける必要がある。指定の申請と審査は、FDAの中でも希少疾患・希少疾患用製品を担当する部門が扱う。

産業での位置づけ

患者数が限られる疾患では、臨床試験の規模設計や被験者の確保が制約となる。一方で指定に伴う税額控除、手数料の免除、承認後の独占期間は、開発投資の判断材料として働く。希少な遺伝性疾患を対象とする遺伝子治療や核酸医薬の開発は、この制度の対象となりうる領域であり、指定の有無は資金調達や提携の交渉においても参照される。