Satellite Bus
NASAのBasics of Space Flightは、宇宙機のバスを構造系の主要部分と位置づけている。バスは機器を内外に取り付ける場所を提供し、熱的・機械的な安定性を必要とする繊細なモジュールを収容する役割を持つ。ジャイロ、リアクションホイール、ケーブル、配管などの取付点にもなる。
同資料は宇宙機のサブシステムとして、構造、熱制御、機構、データ処理、姿勢および指向制御、通信、電力の供給と分配、推進を挙げている。バスは無線機器、データレコーダ、計算機の回路基板を支持するシャシーとしても機能する。ただし宇宙機の分類によって備えるサブシステムは同じではないとも注記されており、構成はミッションの要求で変わる。
ミッション機器と共通基盤を分離する設計により、同一のバスを別ミッションに使い回して開発費と検証工数を抑えられる。標準バスを製品として供給する事業と、センサや通信ペイロードで差別化する事業は担い手が分かれるため、投資対象としても評価軸が異なる。バスの実績飛行回数は、調達側にとって信頼性の代理指標になる。逆にミッション側から見ると、バスが供給できる電力、指向精度、データ処理能力、推進能力が、搭載できるセンサの性能上限を決める。バス選定はミッション設計の初期段階で行う判断であり、後から変更する余地は小さい。