Precision fermentation
微生物を宿主として、目的とする単一のタンパク質や機能性成分を発酵によって生産する手法。発酵産物全体を利用する従来の発酵と異なり、目的分子を分離精製して食品素材として使う点に特徴がある。乳タンパク質、卵白タンパク質、油脂、酵素などが対象になる。
代表例として、Perfect Day社は乳清タンパク質の一種であるβ-ラクトグロブリンを糸状菌Trichoderma reeseiで生産している。FDAに提出されたGRASノティス(GRN 000863)によれば、製造工程は液内発酵の後、遠心分離、pH調整、ろ過、限外ろ過・ダイアフィルトレーション、噴霧乾燥という順で進む。用途は食品中35%までのタンパク質源とされ、FDAは2020年3月25日付の回答書で、意図された使用条件下でGRASとする同社の結論について現時点で疑問はないと述べている。
発酵で作られた場合でも乳由来のタンパク質を含むため、米国では連邦食品・医薬品・化粧品法に基づく表示が必要とされている。参入にあたっては宿主株の構築と下流の精製工程の双方を確立する必要があり、規制対応はGRASや新規食品の枠組みに沿って品目ごとに進めることになる。