リサイクルできない廃棄物を、利用可能な熱・電力・燃料へ転換する技術の総称である。米環境保護庁は、これを廃棄物からのエネルギー回収と呼び、都市ごみを燃焼室へ投入して燃やし、その熱で水を蒸気に変えてタービン発電機を回す方式を説明する。米国で最も一般的なのは、都市ごみを過剰空気下の単一燃焼室で燃やすマスバーン方式である。同庁によれば標準的なプラントは廃棄物1トンあたり約550キロワット時を発電する。
工業設備やプロセスから、排ガス、加熱された空気、熱交換器の排出流、冷却液、高温のまま搬出される製品などを通じて失われる熱を捕捉し、同じ工程または別の用途で再利用することを指す。米エネルギー省の技術評価は、廃熱を温度によって華氏250度未満の超低温から華氏1600度超の超高温まで5区分に分け、推定される廃熱量の8割超が華氏77度から300度の範囲にあるとしている。回収の手段としては、熱交換器、レキュペレータ、リジェネレータ、廃熱ボイラ、ランキンサイクルおよび有機ランキンサイクル、熱電発電が挙げられている。
波の運動エネルギーを捉えて電力に変える発電方式である。米エネルギー省(DOE)の海洋エネルギー用語集は、捕捉装置の型式として、波長に比べ主要寸法が小さく自身の物理的寸法より広い波面からエネルギーを取り込むポイントアブソーバ、水柱の上に空気柱を閉じ込めた部分没水構造で、水面下から波を導き入れて水柱を上下させる振動水柱、主軸を入射波の進行方向と平行に置き通過する波による相対運動をエネルギーに変換するアテニュエータを定義している。
磁性体の鉄心で電圧を変換する従来の変圧器に代えて、半導体のスイッチングによって交流の電圧を変換する電力変換装置である。米アイダホ国立研究所のGridTechPediaは、高周波の半導体スイッチング、フィルタ、小型の中周波トランスを用いて交流電圧を変換する装置と説明する。双方向の電力融通ができ、投入時の突入電流を要さず、小型軽量で部分負荷の効率が高いとされる。
熱を作り出すのではなく、電力を使って熱を移動させる設備である。米エネルギー省は、冷蔵庫と同じように電気を用いて冷たい空間から暖かい空間へ熱を移すものと説明する。冷房期は屋内の熱を屋外へ、暖房期は屋外の熱を屋内へ運ぶ。屋外の空気と熱をやりとりする空気熱源型が最も普及しており、電気抵抗式の暖房と比べて暖房に使う電力を最大75%削減できるとされる。
風の運動エネルギーを電気に変換する装置である。米エネルギー省は、風がプロペラ状のブレードをロータのまわりで回し、ロータが発電機を回して電気が生まれると説明する。変換はブレードに働く空力によるもので、ブレードの両面に生じる圧力差が揚力と抗力を生み、揚力が抗力を上回ることでロータが回転する。ロータは発電機に直結する(ダイレクトドライブ)か、増速機を介して接続される。水平軸型と垂直軸型に大別され、陸上機の定格は100kWから数MWに及ぶ。
気体を作動流体として、圧縮・加熱・膨張・排熱の四つの過程で仕事を取り出す熱力学サイクルである。ガスタービンや航空エンジンの基本サイクルであり、蒸気系の設備を必要としない点がランキンサイクルとの構成上の違いとなる。超臨界CO2を作動流体とする閉ループ型の発電サイクルとしても開発が進む。
配電系統の末端に分散して設置される小規模な発電・蓄電・需要側資源の総称である。屋根置き太陽光発電、蓄電池、電気自動車、需要応答に対応する機器、スマートメーターなどを含み、個別かつ集合的に制御することで配電系統の運用や柔軟性の確保に活用される。
ペロブスカイト結晶構造の材料を光吸収層に用いる太陽電池。塗布で成膜できるためフィルム基板上に軽量で曲げられるモジュールを作れる。NEDOの基金事業ではロール・ツー・ロール方式の量産技術開発が進み、モジュール幅を30cmから1mへ広げ、2027年に100MWの生産ラインを立ち上げる計画である。
明確に定義された電気的境界の内側にある負荷と分散型エネルギー資源の集まりであり、系統に対して一つの制御可能な単位として振る舞うものである。米エネルギー省の送電網配備局はこう定義し、系統連系とアイランド(単独)運転のいずれでも動作でき、完全に系統から切り離した用途も含むとしている。系統連系時は主系統から受電も送電もでき、停電時はアイランド運転に移って内部の発電と蓄電で自らの需要家に電力を供給する。
工場で組み立てて輸送できる超小型の原子炉。米エネルギー省は熱出力1〜20MW程度で、工場製造・可搬・受動安全による自己調整の3点を特徴として挙げている。
炭素・水素・窒素・フッ素・酸素・硫黄といった一般的な有機元素からなる半導体で発電する太陽電池。米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)によれば、材料は液体の状態で扱い、剛性または柔軟な基材に噴霧・塗布できる。NRELは2021年に18.07%の変換効率を報告している。
高温で液体になる塩を燃料または冷却材に用いる原子炉である。国際原子力機関(IAEA)は、溶融塩が大気圧のまま大量の熱エネルギーを蓄えられる点を挙げ、設計によっては固体燃料を必要とせず、その製造と処分が不要になるとする。運転温度が高いため発電効率が上がり、運転圧力が低いことで大規模な破断と冷却材喪失のリスクを下げられるとされる。高レベル放射性廃棄物の発生が少なく、複数の燃料サイクルに対応して廃棄物の燃焼炉にも増殖炉にもなり得るとされる。
硫黄を正極、リチウム金属を負極に用いる二次電池。硫黄の理論比エネルギーは2600Wh/kgと高く、実用目標としてセル500Wh/kgが挙げられる。実セルの記録値は441Wh/kgで、多硫化物の溶出によるシャトル効果、変換反応に伴う体積変化、リチウム負極のデンドライトが実用化の障壁になっている。
リチウムイオンが正極と負極の間を移動することで充放電を行う二次電池である。東北大学多元物質科学研究所の解説によれば、正極・負極・電解質からなり、典型的な構成では正極にコバルト酸リチウム、負極に炭素、電解質にリチウムイオン伝導性の有機電解液を用いる。他の二次電池に比べてエネルギー密度と起電力が高い一方、可燃性の電解液を用いるため取り扱いを誤ると発火する恐れがある。
電解液を外部タンクに貯め、ポンプでセルスタックへ循環させて充放電する二次電池。バナジウム系の起電力は約1.4V。容量はタンク内のバナジウム量、出力はセルサイズで決まるため両者を独立に設計でき、充放電サイクル数に原理的な制限がない。長時間放電が要る系統用途に向く。
コネクタを用いずに離れた機器へ電力を送る技術である。Sensors誌の総説は、ワイヤレス電力伝送を、機器を遠隔から非接触で充電するきわめて便利な手段と位置づけ、電磁的に結合する方式と結合しない方式、および音響を用いる方式を概観する。ミリメートルからキロメートルまでの距離、ミリワットからメガワットまでの電力、kHzからTHzまでの波を扱う解が示されている。コネクタを避けられるため腐食や粉塵・水分の侵入を防げる一方、主たる課題は伝送の効率と到達距離にある。