用語集

ISO 15118 ISO 15118 Vehicle to Grid Communication Interface
モビリティ

電気自動車と充電設備の間の通信インタフェースを定める国際規格群。ISO 15118-2 はメッセージ、データモデル、XML/EXIによる表現、V2GTP、TLS、TCP、IPv6の利用を規定し、2022年発行のISO 15118-20 は第2世代として双方向の電力伝送を定義する。

EV充電設備 EVSE Electric Vehicle Supply Equipment
モビリティ

電気自動車へ電力を供給する設備である。米エネルギー省の代替燃料データセンター(AFDC)は、充電ポートを、複数のコネクタを備えていても一度に1台の車両にのみ給電する単位と定義し、コネクタを車両に差し込んで充電する部分としている。交流のレベル1(120V、1.9kW)、交流のレベル2(208Vまたは240V、2.9〜19.2kW)、直流急速充電(最大500kW)に区分される。

意図した機能の安全性 SOTIF Safety of the Intended Functionality
モビリティ

部品が故障していなくても、機能の不足や合理的に予見可能な誤使用によって危険が生じることを扱う安全の考え方。ISO 21448:2022 が一般的な論証の枠組みと、設計・検証・妥当性確認および運用段階での対策の指針を示している。適用対象は、複雑なセンサとアルゴリズムによる状況認識を必要とする機能である。

運行設計領域 ODD Operational Design Domain
モビリティ

自動運転システムが機能するよう設計された運行条件の範囲。ISO 34503は、この条件を静的属性と動的属性からなる階層的な分類体系で記述することを求めており、主にレベル3と4のシステムを対象とする。レベル5は制限のない領域を持つ扱いになる。

運転自動化レベル Levels of Driving Automation
モビリティ

運転自動化の度合いを0から5の6段階に区分する分類。米国NHTSAの説明では、レベル0から2までは人間が運転の責任を負い、レベル3は要請があれば運転者が引き継ぐことを前提とし、レベル4以降は限定された範囲または全条件下でシステムが運転タスクの責任を負う。

エンドツーエンド自動運転 E2E End-to-End Autonomous Driving
モビリティ

カメラやLiDARの生のセンサ入力から、車両の走行軌道や制御量を直接生成する自動運転の設計手法である。認識・予測・計画をモジュールごとに独立して最適化する従来のパイプラインと異なり、最終的な走行性能を目的関数として知覚から計画までを結合最適化できる点が特徴とされる。

AUTOSARアダプティブプラットフォーム AUTOSAR Adaptive Platform
モビリティ

車載ソフトウェアの標準化団体AUTOSARが定めるプラットフォームのひとつ。アダプティブアプリケーション向けランタイム(ARA)を実装し、サービスとクライアントを実行時に動的に結び付ける点が、静的に結合するクラシックプラットフォームと異なる。

交換式バッテリー Swappable Battery
モビリティ

車両から取り外し、充電済みのものと入れ替えて使う着脱式の電池である。日本自動車研究所(JARI)の解説によれば、交換式バッテリは着脱式バッテリに分類され、現状ではシェアリングでの利用を主用途とし、交換式バッテリステーションで入れ替える方式では所要時間が1分以下になる。国内では2021年3月に電動二輪車向けの標準化が合意され、日本自動車技術会規格(JASO)として規格化された。欧州のSBMCとも連携が図られている。

航空機電動推進 EAP Electrified Aircraft Propulsion
モビリティ

電気を用いて航空機を推進する技術の総称である。NASAグレン研究センターは、効率の改善と航空におけるエネルギー消費の削減に新たな可能性をもたらす技術と位置づける。構成はハイブリッド電動系からターボエレクトリックの各形態まで幅があり、要素技術として高効率の電動機、軽量材料、超電導技術が挙げられる。

極超音速飛行 Hypersonic Flight
モビリティ

NASA は極超音速飛行を「マッハ5を超える速度、すなわちその場の音速の5倍を超える速度での飛行」と定義している。この領域では複雑な衝撃波の干渉と増大した空力加熱が問題になり、飛行時に想定される条件・規模・持続時間で極超音速の空気吸込み式エンジンを地上試験する能力が限られる点が課題として挙げられている。

自動運転システム ADS Automated Driving System
モビリティ

人の運転者に代わって車両の運転操作を担うシステムである。米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、自動化の水準を5段階に整理し、レベル2までは運転者が操作を監視し責任を負う一方、レベル3では要請に応じて運転者が引き継ぐ必要があり、レベル4と5では作動中はシステムが運転し人は同乗者となると説明する。同局は、自動化の水準を上げることが衝突に至る一連の事象から人間の運転者を外すことにつながるとしている。

自動車安全度水準 ASIL Automotive Safety Integrity Level
モビリティ

車載の電気・電子システムに求める安全要求の厳しさを表す区分で、A、B、C、Dの4段階がある。ISO 26262 はこの水準を用いて、不合理な残存リスクを避けるためにどの要求を適用するかを指定する。水準はハザード分析とリスクアセスメントの結果から決まる。

自動車線維持システム ALKS Automated Lane Keeping System
モビリティ

車両の横方向と縦方向の動きを制御し、運転者の追加操作なしに車線内を走行し続けるシステム。国連規則第157号がM1カテゴリの車両を対象に定めており、2021年に公表されたテキストでは作動速度の上限を60km/hとする。運転者への移行要求と最小リスクマヌーバの手順も規定される。

車載レーダ Automotive Radar
モビリティ

車両に搭載し、電波によって周囲の物体を検出するレーダである。ITU-R勧告M.2057-1は、高度道路交通システム(ITS)用途として76-81GHz帯の電波標定業務で運用される車載レーダのシステム特性を規定する。同勧告は用途を2区分し、測定距離250mまでのアダプティブクルーズコントロールと衝突回避には連続1GHzの帯域幅、測定距離100mまでの死角検知、車線変更支援、後退時の横断警報、歩行者や自転車の近接検知といった高分解能用途には4GHzの帯域幅を要するとしている。

自律運航船 MASS Maritime Autonomous Surface Ship
モビリティ

人の関与の度合いに応じて運航の自律度を段階で整理する船舶。IMOの規制スコーピング作業では、意思決定支援を伴う自動化から、乗組員を乗せた遠隔操船、無人の遠隔操船、完全自律までの4段階が用いられ、目標指向型のMASSコードの策定が議論されている。

スイッチトリラクタンスモータ SRM Switched Reluctance Motor
モビリティ

固定子と回転子の双方が突極構造をとり、回転子が磁界に整列しようとする磁気抵抗の性質からトルクを得るモータである。永久磁石も回転子巻線も持たないため希土類材料を必要とせず、構造が簡素で故障許容性が高い一方、トルクリップルと騒音の大きさが課題となる。

セルラーV2X C-V2X Cellular Vehicle-to-Everything
モビリティ

携帯電話の無線技術を用いて車両と周囲をつなぐ通信方式。3GPPが2016年9月のRAN会合でRelease 14として最初の標準を完了させた。端末どうしを直接つなぐPC5サイドリンクと、基地局を経由するUuの二つの経路を持ち、車車間のほか対歩行者や路側インフラとの直接通信を想定する。

船舶用ハイブリッド電気推進 Hybrid Electric Power System (Marine)
モビリティ

内燃機関で駆動する発電機や主機で駆動する軸発電機・電動機と、蓄電池などのエネルギー貯蔵システムを組み合わせて船舶の発電・推進系を構成する方式である。米国船級協会(ABS)の2024年4月の要求事項はこう定義し、エネルギー貯蔵システムには蓄電池、スーパーキャパシタ、燃料電池などが含まれるとする。同要求事項は全電気式動力系を、エネルギー貯蔵システムやエネルギー変換装置、太陽光や風力などの非在来型電源の組み合わせで構成し、内燃機関は非常用電源としてのみ用いるものと定義し、これで運航できる船舶を全電気推進船としている。

ソフトウェアアップデート管理システム SUMS Software Update Management System
モビリティ

国連規則第156号は、ソフトウェア更新の提供に関する要求を満たすための組織的なプロセスと手順を体系化したものとしてSUMSを定義する。製造者は文書化されたプロセスを認可当局に示して適合証明を取得する必要があり、証明の有効期間は最長3年である。無線更新には別途の要件が課される。

ソフトウェア定義車両 SDV Software Defined Vehicle
モビリティ

経済産業省と国土交通省のモビリティDX戦略では、クラウドとの通信により自動車の機能を継続的にアップデートし、運転機能の高度化など従来車にない新たな価値を実現できる次世代の自動車と説明されている。同戦略は2030年および2035年にSDVのグローバル販売台数で日系シェア3割を実現することを目標に掲げる。

ダイナミックマップ Dynamic Map
モビリティ

高精度三次元地図情報を基盤として、様々な主体が保有し時間とともに変化する位置特定可能なデータを紐づけ、ルールを定めて整合的に活用する概念である。自動運転車の自己位置推定、道路構造や交通規則の取得、周辺の交通環境の把握に用いられ、変化速度に応じて静的から動的まで階層化して扱う。

鳥瞰図(BEV)認識 BEV Bird's-Eye-View Perception
モビリティ

複数のカメラやセンサから得た観測を、車両を真上から見下ろす統一座標系の表現に変換したうえで、三次元物体検出や地図セグメンテーションを行う自動運転向けの知覚手法である。センサごとの視点差を吸収でき、経路計画や地図と座標系を共有できるため、認識結果をそのまま下流モジュールへ渡せる。

電気自動車 BEV Battery Electric Vehicle
モビリティ

駆動用の電池に外部から充電し、内燃機関を用いずに電動機だけで走行する自動車である。米エネルギー省の代替燃料データセンター(AFDC)は、全電動車(バッテリー電気自動車とも呼ばれる)を、充電設備に接続して充電される電池を備え、常に全電動モードで動作する車両と説明する。同センターによれば一充電あたりの走行距離は概ね150〜400マイルである。燃料と電気の双方を用いるハイブリッド車とは異なり、走行に必要な電力をすべて外部からの充電で得る点で区別される。

電動垂直離着陸機 eVTOL electric Vertical Take-Off and Landing aircraft
モビリティ

垂直に離着陸する分散推進の航空機。欧州航空安全機関が2019年7月2日に発行したSC-VTOL-01は、最大離陸重量3,175kg以下、座席9席以下で、揚力・推力ユニットを3基以上持つ機体を対象とする型式証明の基準を定め、BasicとEnhancedの2区分を設けている。

トラクションモータ Traction Motor
モビリティ

車両を駆動する電動モーターである。米エネルギー省(DOE)は、電動ドライブシステムにおいて電気モーターが電池に蓄えた電気エネルギーを機械エネルギーに変換すると説明する。主な方式は内部永久磁石(IPM)、誘導、スイッチトリラクタンスである。IPMは出力密度が高く広い運転範囲で高効率を保つが、DOEによればハイブリッド車とプラグイン電気自動車のほぼすべてが希土類永久磁石を用いており、材料の入手性と高コストが制約になっている。

ブレンデッドウィングボディ BWB Blended Wing Body
モビリティ

胴体と主翼の境目をなくし、機体全体を一つの揚力面として扱う航空機の形態である。NASAはX-48の資料で、従来型の航空機と全翼機の中間であり、全翼機と三角形の胴体を組み合わせた形と説明する。抗力と重量を減らせるため、従来型の機体に比べて最大30%燃費が良くなるとされる。X-48Cでは翼端の位置を変え後部を延長して騒音を遮蔽する形態が試験された。

無人航空機システム UAS Unmanned Aircraft System
モビリティ

機体の内部または機上から人が直接介入する可能性なしに運航される航空機を無人航空機という。米連邦規則集14 CFR 107.3はこう定義し、小型無人航空機を、搭載物を含む離陸時重量が55ポンド未満のものとする。小型無人航空機システムは、その機体と、国家空域系で安全かつ効率的に運航するために必要な通信リンクおよび制御構成要素などの関連要素を合わせたものを指す。

目視外飛行 BVLOS Beyond Visual Line of Sight
モビリティ

操縦者が機体を直接目視できない範囲まで無人航空機を飛ばす運航形態。米連邦航空局(FAA)は2025年8月7日、BVLOS運航を通常の運航として位置づけるための規則案を公表した。