回転軸を地面に対して垂直に配置する形式の風力タービンである。米エネルギー省のSmall Wind Guidebookは、小型風力タービンを水平軸型と垂直軸型の二群に分け、市場で最も広く使われているのは水平軸型だとしている。垂直軸型にはサボニウス型とダリウス型があり、サボニウス型は上から見るとS字形の形状をとり、ダリウス型は泡立て器のような外観で垂直なブレードが風に対して出入りしながら回転する。水平軸型の発電量はロータ直径が定める受風面積によって決まると説明されている。
水力を用いた電力貯蔵の一形式である。米エネルギー省(DOE)の説明によれば、標高の異なる二つの貯水池で構成し、上池から下池へ水を流してタービンを通すことで発電し(放電)、逆に電力を用いて下池から上池へ水をくみ戻す(充電)。電力を蓄えて必要なときに放出できるため、巨大な電池のように働くと説明されている。
入力電源が失われた場合にも負荷への給電の連続性を保つための電源システムであり、変換器、スイッチ、および蓄電池などのエネルギー貯蔵装置を組み合わせて構成される。米国環境保護庁のENERGY STARプログラムの試験方法文書はこのように定義している。同文書は方式として、通常時は主電源から給電し入力喪失時にインバータへ切り替えるパッシブスタンバイ、通常時に調整された入力電源を供給するラインインタラクティブ、インバータが直流リンクまたは蓄電から常時給電するダブルコンバージョンの3種類を挙げる。
水素を有機化合物に化学的に結合させて貯蔵し、必要なときに取り出す方式で用いる一対の有機化合物である。学術誌 Rendiconti Lincei. Scienze Fisiche e Naturali に2025年に掲載された総説は、不飽和の芳香族化合物と、それに水素が付加した飽和化合物の対が、可逆的な水素の貯蔵と放出を担うと説明する。触媒の下で進む水素化は発熱反応で不飽和結合を飽和結合に変え、脱水素は吸熱反応でこれを戻して水素を取り出す。代表的な対として、トルエンとメチルシクロヘキサン、ナフタレンとデカリン、N-エチルカルバゾールとその水素化体、ジベンジルトルエンとその水素化体が挙げられている。常温常圧で貯蔵・輸送でき既存の液体燃料インフラと親和性が高いことから、圧縮水素や液化水素に比べて設備費と安全上の負担を抑えられるとされる。
核分裂の熱で高温にした純度の高い水を、沸騰しないよう高い圧力に保ったまま循環させ、蒸気発生器で別系統の水を蒸気に変える原子炉である。米原子力規制委員会(NRC)は、圧力鍋と同じように高い圧力で沸騰を抑えたうえで、炉心で直接沸騰させるのではなく蒸気発生器を介して蒸気をつくる設計だと説明する。生じた蒸気がタービンと発電機を回して発電する。NRCによれば、米国で運転中の原子力発電炉のおよそ3分の2がこの形式である。
軽い原子核どうしが結合して1個の重い原子核になり、その過程で大きなエネルギーを放出する反応である。国際原子力機関(IAEA)は、地球上でこの反応を起こすには摂氏1億度を超える温度と強い圧力が必要であり、反応は正イオンと自由に動く電子からなる高温の荷電気体すなわちプラズマの中で進むと説明する。将来の炉の燃料には水素の重い同位体である重水素と三重水素の混合が想定され、両者の原子核が衝突するとヘリウムと中性子が生じる。放出されるエネルギーは核分裂反応の4倍とされる。
核融合反応で発生した熱出力を、プラズマを加熱するために外部から投入した熱入力で割った比である。Q=1がプラズマのエネルギー損益分岐点にあたり、Qが1を超えると投入した加熱を上回るエネルギーが得られる。炉心プラズマの性能を示す代表的な指標として使われる。
有機物や化石由来の炭素質材料を高温で、燃焼させずに量を制御した酸素または蒸気と反応させ、一酸化炭素・水素・二酸化炭素へ転換する処理。米国エネルギー省は摂氏700度を超える温度で行われるとしている。農作物残渣や都市ごみなども原料になる。
気体・電解液・触媒が接する三相界面を電極内部に多数形成する多孔質電極である。燃料電池や金属空気電池、水電解・CO2電解において、気体反応物を触媒近傍へ直接供給しつつ電解液の浸水を防ぐ役割を担い、触媒の活性を実デバイスの電流密度へ翻訳する部材にあたる。
屋根置き太陽光、需要家側の蓄電池、電気自動車と充電器、スマートビル、可制御な産業負荷などの分散型エネルギー資源を束ね、集合体として発電所に相当する系統サービスを提供する仕組み。米エネルギー省は、電力の需給を均衡させる分散型資源の集合体と位置づけている。
Materials 誌に掲載された総説によれば、リチウムイオン電池の電極を、溶媒を用いるスラリー塗工(湿式)によらずに製造する新興の技術である。工程は乾式混合、乾式塗工(乾式堆積)、最終電極への加圧の3段階からなり、方式は乾式スプレー堆積、溶融押出、3Dプリンティング、粉体圧縮、ポリマーのフィブリル化の5種に大別される。湿式で用いるNMP溶媒に伴う健康・環境・費用の問題を避けられる点が動機とされる。
小さな標的に短時間でエネルギーを集中させ、高エネルギー密度状態をつくって核融合を起こす方式。レーザーをX線に変換してから燃料カプセルを爆縮させる間接駆動と、カプセルへ直接照射する直接駆動がある。
天然の透水性や地下水が不足する高温岩体に、人工的に亀裂と流体経路をつくって地熱を取り出す方式。米エネルギー省は「人工的に作られた地熱」と説明している。
金属負極と、大気中の酸素を活物質とする空気極を電解質で結合した電池である。正極活物質をセル内に貯蔵しないため理論エネルギー密度が高く、亜鉛空気電池が最も実用化の進んだ形式である。性能は空気極で進む酸素還元反応の過電圧に律速され、触媒と電極構造が鍵となる。
建物の暖房、換気、空調を担う設備の総称である。米エネルギー省は、建物の暖房と冷房に充てられるエネルギーが全エネルギー消費のおよそ35パーセントを占め、用途別で最大の割合にあたると説明する。効率の高い機器は現状では高価で普及しにくいことが課題とされ、同省は空調、給湯、冷凍の各機器について据付まで含めた総費用を10年以内に半減させることを目標に掲げている。
化石燃料を原料とせずに製造するアンモニアである。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によれば、現在のアンモニアの大半は天然ガス(72パーセント)と石炭(22パーセント)から作られ、この部門の年間排出量は二酸化炭素換算で0.5ギガトン、世界のCO2排出のおよそ1パーセントにあたる。一方で水力発電を用いた再生可能アンモニアの工業規模の製造は1920年から行われてきた。窒素肥料としての用途に加え、水素キャリアや船舶を含む燃料としての利用が見込まれている。
需要家設備に付属せず、送配電系統へ直接接続して充放電する蓄電システム。経済産業省の資料によれば、日本のシステム価格は2019年度の18.7万円/kWhから2024年度に6.0万円/kWhへ低下した一方、連系済み容量は2024年9月末で約10万kWにとどまり、接続検討の受付量を大きく下回る。
相変化や化学反応を伴わず、媒体の温度を上昇させて内部エネルギーとして熱を蓄える方式である。貯蔵量は媒体の体積・比熱・温度差の積で決まり、溶融塩やコンクリート、岩石、炭素などの安価な材料が用いられる。三方式の蓄熱のうち最も成熟度が高く大容量化の実績がある。
高速中性子のスペクトルで運転する原子炉である。国際原子力機関(IAEA)は、高速中性子スペクトルによって熱中性子炉に比べ天然ウランから取り出せるエネルギーを大幅に増やせると説明する。冷却材の違いによりナトリウム冷却型、鉛および鉛ビスマス冷却型、ガス冷却型の開発が進められている。閉じた核燃料サイクルと組み合わせることで長期的な原子力利用を支え、核廃棄物の負担を減らせるとされ、主として増殖炉、近年は高レベル廃棄物の燃焼炉としても位置づけられる。
需要家側のエネルギー使用量を短い時間間隔で計測し、通信網を介して事業者側へ送る電子計器と通信基盤の総称である。月次の検針に代わって細かいデータを供給し、停電の検知や低圧側の電圧監視、分散型エネルギー資源の計測などに使われ、配電系統の運用と長期の設備計画を支える基盤となる。
IAEAが電気出力300MW(e)以下の先進原子炉と定義する炉型である。主要機器を工場でモジュールとして製造し、設置場所へ輸送して据え付ける方式をとる。固有安全性と受動的安全機能により安全性能を高め、単一モジュールでも複数モジュール構成でも運用でき、需要に応じた段階的な容量追加が可能とされる。
プロトン伝導性の固体高分子膜を電解質として水を電気分解し、水素を製造する方式。米国エネルギー省の技術目標では、システム効率を2022年時点の55kWh/kg-H2から最終的に46kWh/kg-H2へ、システム資本費を1,000ドル/kWから150ドル/kWへ下げることが掲げられている。
高分子の膜を電解質に用いる燃料電池。米エネルギー省(DOE)によれば、膜は正に帯電したイオンだけを通し電子を通さない。膜の両面に白金を炭素上に分散させた触媒層を設け、その外側にガス拡散層を置いた膜電極接合体(MEA)が中核をなす。バイポーラプレートで多数のセルを直列に積層する。
イットリア安定化ジルコニアを電解質に用い、500〜1,000℃の高温で作動する燃料電池。発電効率は低位発熱量基準で60%、スタック規模は1kWから2MWとされる。燃料の選択自由度が高く熱電併給に適する一方、高温腐食、起動時間の長さ、停止回数の制約が課題に挙げられている。
燃料電池や金属空気電池の空気極で、酸素が電子とプロトンを受け取って水に変換される電気化学反応である。水素酸化反応より速度が遅く過電圧が大きいため、電極触媒の活性がセル性能を支配する。4電子還元の選択性を保ちつつ白金使用量を減らすことが開発上の課題となる。
強い磁場によって電離した荷電粒子であるプラズマを容器壁から隔離し、核融合反応に必要な高温・高密度状態を一定時間保持する方式である。単純なドーナツ状磁場では粒子が漂って逃げるため磁力線をらせん状にねじる必要があり、その作り方の違いによってトカマクとステラレータという代表的な二つの装置形式に分かれる。
トロイダル磁場をほとんど持たないコンパクトトーラス型のプラズマ閉じ込め配位である。プラズマ自身が流す電流が外部磁場を打ち消して反転させ、閉じた磁力線の領域をつくる。磁気圧に対するプラズマ圧の比が高いことと、装置構造が単純であることが特徴とされる。
鏡で太陽光を受熱器へ集め、高温の熱として取り出す方式である。米エネルギー情報局(EIA)は、太陽熱発電の系がいずれも太陽光を捉えて受熱器に集める反射鏡と受熱器という二つの主要部からなり、多くの方式では受熱器の中で熱媒が加熱・循環されて蒸気を作ると説明する。太陽の位置の変化に合わせて集光を保つ追尾機構を備え、集光の方式は線形集光(パラボリックトラフ、線形フレネル反射鏡)、タワー型、ディッシュ型に大別される。蓄熱系を併設すれば、日中に集めた熱を夜間や曇天時にも使える。
単位質量あたりに取り出せる電気エネルギーで、単位はWh/kg。比エネルギーとも呼ぶ。活物質、セル、モジュール、パックのどの階層で測るかで値が変わるため単独では比較できない。米国エネルギー省のBattery500コンソーシアムは、セルレベル500Wh/kgを1,000サイクル成立させることを目標に掲げている。
電力量計を境として需要家側に設置される発電・蓄電設備を指す。負荷の近くで発電するため送配電損失を避けられ、設計次第で供給途絶に対する耐性を高められる。余剰電力の扱いが制度上の論点となり、大規模計算設備の電力確保でも用いられる。系統接続の待ち時間を回避する手段にもなる。