長管骨の骨髄腔に金属製の釘を挿入して骨折部を固定する内固定法である。骨の力学軸に近い位置で荷重を分担するため早期荷重に適する。横止めスクリューを併用する方式が一般的で、髄腔拡大の有無が骨癒合率に影響すると報告されている。低侵襲な手技として位置づけられ、適応部位の拡大が進む。
工作機械をコンピュータで制御して切削などの加工を行う方式である。NCは Numerical Control(数値制御)の略で、コンピュータを内蔵する現在の工作機械ではNC加工とCNC加工を区別しない。複雑な加工プログラムの作成にはCADやCAMのソフトウェアが用いられる。用語は ISO 2806 が国際的に定めている。
樹木や建物などの地表構造物を除いた裸地の地形面を数値データとして表現したモデルである。航空レーザ測量や干渉合成開口レーダから生成され、地形解析、水文解析、インフラ計画、電波伝搬計算、自律移動体の地図などの基盤データとして用いられる。
頭部に装置を留置して頭蓋内の圧力を感知し、記録装置へ測定値を送る検査である。脳室内カテーテルが最も正確な方法とされ、硬膜下ボルト、硬膜外センサがこれに続く。重度の頭部外傷や脳の疾患がある場合、また脳手術の後に腫脹が懸念される場合に行われる。
言語モデルの損失が、モデルサイズ・データセットサイズ・学習計算量のそれぞれに対してべき乗則で改善するという経験則。2020年の Kaplan らの論文が、7桁以上の範囲にわたって成り立つ傾向を報告した。固定された計算予算をモデルとデータにどう配分するかを決める判断材料になる。
企業の自社操業と購入電力以外、すなわちバリューチェーン上で生じる温室効果ガス排出を指す。GHGプロトコルのScope 3基準は上流・下流にわたる15のカテゴリを定めており、多くの企業では総排出量の大半がこのスコープ3に由来するとGHGプロトコルは述べている。
架橋(ステープル)を導入してαヘリックス構造を安定化させたペプチドである。全炭化水素型では立体配座を固定することが細胞膜透過性の向上に寄与することが示されている。リンカーの化学的な多様性を用いて脂溶性や立体配座の制約を調整し、脱溶媒和に伴うエネルギー的な不利を克服する設計がとられる。
外部に配置した超伝導コイルだけでねじれた磁力線構造を作り出し、高温プラズマを閉じ込める磁場閉じ込め核融合装置の一形式である。プラズマ中に正味の電流を流す必要がないため原理的に定常運転が可能で、電流の急激な喪失も起きにくい。一方でコイルとプラズマの形状が三次元的に複雑になり、磁石の製造性が実用化の課題となる。
体内の通り道を開いた状態に保つために留置する小さな網状の管である。米国立心肺血液研究所(NHLBI)は、弱くなった血管や狭くなった血管などの通路を開いておくために用いる小さなメッシュ状のチューブと説明する。金属のメッシュのみのベアメタルステント、再狭窄を防ぐ薬剤を塗布した薬剤溶出ステント、金属メッシュの上を漏れない素材で覆ったステントグラフト、気道に用いるシリコーン製のものなどがある。冠動脈、頸動脈、大動脈、肺の気道に留置される。
精子を運ぶ管である精管の内腔を物理的に塞ぎ、精子の通過を妨げる避妊の方式である。ホルモンに作用しないため、視床下部・下垂体系を介さない非ホルモン性の男性避妊手法として位置づけられ、注入型ポリマーを用いる方法が研究されている。注入した閉塞材を後から除去して再開通させる設計も検討されている。
近赤外光と可視光の反射の差を用いて植生の量と活性を推定する指標。クロロフィルが可視光を吸収し葉の細胞構造が近赤外光を反射する性質を利用する。NDVI=(NIR−VIS)/(NIR+VIS)で計算し、値は−1から+1に収まる。草地など疎な植生で0.2〜0.3、温帯林や熱帯雨林で0.6〜0.8となる。
生きた生物を含み、ヒトの疾患の予防・治療・治癒に適用され、かつワクチンではない生物学的製剤。
微生物や真菌が二次代謝産物を作る際に、その生合成経路を担う酵素遺伝子などがゲノム上の限られた領域にまとまって配置された遺伝子群を指す。配列解析によって計算機で検出できるため、培養や単離を経ずに天然物由来の新規化合物の候補を絞り込む起点として用いられる概念である。
赤道上空の高度35,786kmを、地球の自転と同じ周期で回る円軌道。地上から見た衛星の位置がほとんど動かないため、追尾機構のない固定アンテナで連続的に通信や観測ができる。投入には静止トランスファ軌道を経由することが多い。通信放送衛星と気象衛星が長く使ってきた代表的な軌道である。
事業計画・物流の階層と工程制御の階層の間で、製造オペレーションを管理・実行する情報システム。IEC 62264 シリーズが企業システムと制御システムの統合のためのモデルと用語を定め、第3部がレベル4とレベル2の間に位置する製造オペレーション管理の活動モデルを規定する。
受容体の内因性リガンドが結合するオルソステリック部位とは別の部位に結合し、作動薬の作用を増強する薬物。IUPHAR/BPSはアロステリック調節薬を、受容体分子上の別個の部位に結合して作動薬または拮抗薬の作用を増減させるリガンドと定義しており、増強側を正のアロステリック調節薬と呼ぶ。
原核生物が酵素ニトロゲナーゼによって大気中の窒素を植物が利用できる形へ変換する反応。窒素1モルの還元に16モルのATPを要する。マメ科植物と根粒菌の共生が最も重要な共生関係とされ、工業的なハーバー・ボッシュ法の代替として関心が寄せられている。
米国環境保護庁(EPA)の説明によれば、有害生物を防除する天然由来の物質(生化学農薬)、有害生物を防除する微生物(微生物農薬)、および遺伝物質を導入した植物が産生する殺虫性物質(植物内殺虫性物質、PIP)を含む農薬の総称である。米国では農薬を上市する前に、連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA)に基づきEPAが評価を行い、人の健康と環境に不合理な害の危険を及ぼさないことを確認する必要がある。
家畜そのものや畜舎の設備にセンサーを取り付けて行う畜産の管理手法である。国連食糧農業機関(FAO)は、これによって畜舎の環境制御を動かし、家畜の健康状態、動き、繁殖に関わるものを含む必要事項を監視できるようになると説明する。電子個体識別(EID)タグに基づいて個体単位の管理を容易にする技術が複数開発されており、最も一般的なものは搾乳ロボットである。FAOは、農業におけるデジタル自動化技術のうち最初期のものが畜産部門から現れたとしている。
圃場内のばらつきを観測・計測し、それに応じて管理を変える作物生産の手法。GPSを用いたトラクタ誘導システム、GPSによる土壌・収量マッピング、可変施用(VRT)などの技術群からなる。米国では2010年から2013年にかけてGPS誘導が作付面積の約半分に広がった一方、可変施用は約20%にとどまった。
微生物を宿主として特定のタンパク質や機能性成分を発酵で生産し、分離精製して素材に用いる手法。乳タンパク質β-ラクトグロブリンを糸状菌Trichoderma reeseiで生産した例では、FDAが2020年3月のGRASノティス回答書で疑問はないとしている。
0か1をとる二値変数の二次式を最小化(または最大化)する定式化。等式・不等式の制約はペナルティ項として目的関数に組み込む。多様な組合せ最適化問題を同一の標準形で表現でき、量子アニーリングをはじめとする専用ハードウェアの入力形式として広く使われている。
環境の圧縮された空間的・時間的表現を教師なし学習で獲得し、行動に応じた将来の状態を予測する生成モデルを指す。予測が作り出す内部シミュレーションの中で方策を学習させ、それを実環境へ転移できることが示されている。実機での試行回数を抑えた制御や計画を可能にする枠組みとして扱われる。
物体表面から放射される赤外線を検出し、温度分布を画像として捉える非接触の計測手法である。機械や電気設備の状態監視・診断への適用手順はISO 18434-1で規定され、放射率や反射見かけ温度の補正を行うことで定量的な温度評価に用いられる。電力設備の点検で可視画像と併用される。
防護対象の衛星とカタログ上の宇宙物体との接近を予測し、リスクを評価して必要なら回避する作業。NASAはスクリーニング、リスク評価、リスク低減の3段階と定めている。
携帯電話網の規格を用いて、多数の機器を長距離かつ低消費電力で接続する通信技術の総称である。3GPPはリリース13で、EC-GSM-IoT、機械型通信向けのLTE-M、狭帯域IoT(NB-IoT)の3つを策定した。EC-GSM-IoTはEGPRSに対して20dBの被覆改善とLTE水準の安全性、低消費電力動作を加える。LTE-Mは低複雑度でありながらEC-GSM-IoTやNB-IoTより低遅延かつ高スループットとされる。NB-IoTは低消費電力動作と極めて低い機器複雑度、広い被覆を備え、200kHzまで下げた帯域幅や3.75kHzの狭いチャネルにも対応する。
携帯電話の無線技術を用いて車両と周囲をつなぐ通信方式。3GPPが2016年9月のRAN会合でRelease 14として最初の標準を完了させた。端末どうしを直接つなぐPC5サイドリンクと、基地局を経由するUuの二つの経路を持ち、車車間のほか対歩行者や路側インフラとの直接通信を想定する。
セルロースを主成分とする植物繊維を、ナノメートルサイズまでほぐして微細化した素材。産総研の解説では鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度をもち、熱で膨張しにくいとされる。水を保持する力が強く粘度を保つ性質もあり、タイヤ、衛生用品、食品添加物、化粧品、光学材料などに使われている。
足裏の接地面上で水平方向のモーメント成分がともにゼロになる点。この点が支持多角形の内部にあることが二足歩行の動的バランスの条件とされ、歩行パターン生成と安定化制御の基準に用いられる。動的にバランスしていない歩容ではZMPは存在せず、圧力中心とは区別される。
単一光子、ビームスプリッタなどの線形光学素子、および射影測定のみを用いて量子計算を実現する方式である。2001年のKLMプロトコルにより、光子間の直接的な非線形相互作用を用いずとも、測定に基づく実効的な非線形性によってスケーラブルな量子計算が可能であることが示された。