医用画像の受け取り、転送、表示、保存、デジタル処理を担うシステムである。撮像装置との通信にはDICOM、患者情報や検査オーダの授受にはHL7が用いられ、医療機関における画像情報の正となる保管庫として機能する。画像解析ソフトが臨床で使われるうえでの接続先となる一方、患者情報が集積するためセキュリティ上の重点対象でもある。
ハードウェア医療機器の一部となることなく、単独で一つ以上の医療目的を果たすことを意図したソフトウェア。IMDRFが定めFDAも採用する定義であり、医療機器に組み込まれて動作するソフトウェアや、機器の製造・保守に用いるソフトウェアとは区別される。日本ではプログラム医療機器として規制される。
一日を通じて一定量のインスリンを投与する小型の機器である。米国国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所は、身体の外側に装着し、細いプラスチックチューブを皮下に留置して24時間インスリンを送り込むものと説明する。必要に応じて投与量を増減するようプログラムでき、食事の際に追加投与もできる。
X線画像をモニタ上に連続表示する医用画像診断法。X線による動画に相当する。
患者が接続された医療機器で収集した健康データを自動的に医療提供者へ送信し、提供者がそのデータを用いて遠隔で状態を管理する仕組み。米国メディケアでは、FDAの医療機器の定義を満たすインターネット接続機器を用い、患者の手入力ではなく機器からの自動送信であることが要件とされる。
画像を用いて器具を目標へ導きながら行う治療手技の総称である。米国立生物医学イメージング・生体工学研究所(NIBIB)は、治療手技の際に目的の標的へ到達するための誘導、ナビゲーション、組織の識別、疾患の同定にまたがるハードウェア、ソフトウェア、方法論を支援対象とし、手技の成績を改善することを目標に掲げている。疾患の性質や併存疾患などの条件によって従来は適応外とされた患者にも手技の適用を広げることも狙いに挙げられている。
血管経由で心臓内に挿入したカテーテルの先端から高周波や冷凍などのエネルギーを加え、不整脈の発生源や異常な伝導路となる心筋組織を選択的に壊死させる低侵襲治療である。心房細動では、発火源となりやすい肺静脈を左房から電気的に隔離する目的で連続した伝導ブロックラインを形成する。
カテーテルを脳血管まで進め、閉塞の原因となった血栓を器具で物理的に取り除く血管内治療である。主幹動脈閉塞による急性虚血性脳卒中に対する標準治療として位置づけられ、ステント型回収器で絡め取る手技と、吸引カテーテルで陰圧をかけて除去する手技の二系統がある。治療成績は再灌流の程度で評価される。
病院の検査室ではなく、自宅や介護施設などの生活環境で脳波を記録する方式である。事象の頻度の定量、発作間欠期の異常波の評価、薬剤の効果判定、院外で生じる誘因の同定、発作の捕捉と分類を目的とする。装着と回収を生活環境で行う形態と、施設で装着して帰宅する形態がある。
カテーテルを通じて塞栓物質を注入し、目的の血管を塞ぐ治療手技である。日本IVR学会の一般向け資料は、局所麻酔で大腿動脈からカテーテルを挿入して目的の血管まで進め、造影剤を流しながら撮影して出血部位を確認し、その血管までカテーテルを進めて血管を塞ぐ物質を注入して出血を止めると説明する。塞栓物質にはプラチナコイル、ゼラチンスポンジ、プラスチック粒子、液体塞栓物質などがある。
米国食品医薬品局(FDA)によれば、従来のCTの変種にあたる装置である。円錐状のX線ビームを用いて患者の周囲を回転しながらデータを取得し、そのデータから三次元画像を再構成する。歯科では、インプラント計画、顎顔面の評価、根管治療の診断などに用いられる。
Seminars in Thoracic and Cardiovascular Surgery 誌の総説によれば、高周波発生器から針状電極に交流を流し、組織内でイオンの振動を起こして熱を発生させ、標的の組織を熱的に破壊する治療手技である。同総説によれば温度は摂氏90度に達しうるとされ、電極周囲に凝固壊死が生じる。電極の留置には画像誘導が用いられ、最も一般的なのはCTである。
米国国立生体医工学画像研究所(NIBIB)の解説によれば、三次元の詳細な解剖学的画像を生成する非侵襲の画像技術である。生体組織を構成する水に含まれる陽子の回転軸の向きの変化を励起し検出する原理に基づく。強い磁石で陽子を磁場に整列させ、高周波電流をパルス状に印加して平衡から外し、高周波を切った後に陽子が再整列する際に放出されるエネルギーを検出する。X線やCTのような電離放射線を用いない点が特徴とされる。
AI搭載機器ソフトウェア機能について、市販後に予定している変更をあらかじめ市販前申請の中でFDAに審査してもらう枠組み。計画の範囲内であれば個々の変更ごとに新たな市販前申請を要しないため、学習型アルゴリズムの改良速度が規制手続きに律速されにくくなる。
体液中のグルコース濃度を、定められた期間にわたり連続的または高頻度に自動測定する装置。FDAは、自動インスリン投与システムを含む接続機器へ測定値を確実に伝送できるものを一体型CGM(iCGM)と定義し、21 CFR 862.1355のクラスII、審査区分510(k)として分類している。
米国国立心肺血液研究所(NHLBI)の解説によれば、除細動器は心臓に電荷または電流を加えて正常な拍動を取り戻させる装置であり、そのうち自動体外式除細動器(AED)は多くの公共空間に置かれ、心停止の状態にある人の命を救いうるものとされる。装置が操作者に手順を指示するため、訓練を受けていない人でも緊急時に使用できると説明されている。突然の心停止は、CPRと除細動器による即時の処置なしには致死的であるとされる。
医薬品の保管、取り出し、在庫管理をコンピュータ制御で行う装置である。利用者の権限に応じて払出しを制御し、取引記録を残す。バーコードによる機械可読識別と薬剤師による監査を組み合わせて運用され、薬剤部内に置く集中型と使用場所に置く分散型がある。
術者がコンソールからコンピュータとソフトウェアを介して手術器具を制御し、小さな切開創から手技を行えるようにする装置。FDAは、直接の人的操作なしに手術を行うことはできないため実際にはロボットではないと説明し、訓練を受けた医師による腹腔鏡下手術用としてクリアランスしている。
放射線源を腫瘍の内部または近傍に留置して照射する内部放射線治療である。シード、リボン、カプセルなどの形状の線源を、カテーテルや専用のアプリケータを用いて配置する。留置の経路、線量率、留置期間によって組織内照射や腔内照射などに分類され、周囲の正常組織への影響を抑えつつ局所に線量を集められる。
骨折した骨を接合して保持するために、骨腔(骨髄腔)に釘(ネイル)を挿入する固定法。
長管骨の骨髄腔に金属製の釘を挿入して骨折部を固定する内固定法である。骨の力学軸に近い位置で荷重を分担するため早期荷重に適する。横止めスクリューを併用する方式が一般的で、髄腔拡大の有無が骨癒合率に影響すると報告されている。低侵襲な手技として位置づけられ、適応部位の拡大が進む。
頭部に装置を留置して頭蓋内の圧力を感知し、記録装置へ測定値を送る検査である。脳室内カテーテルが最も正確な方法とされ、硬膜下ボルト、硬膜外センサがこれに続く。重度の頭部外傷や脳の疾患がある場合、また脳手術の後に腫脹が懸念される場合に行われる。
体内の通り道を開いた状態に保つために留置する小さな網状の管である。米国立心肺血液研究所(NHLBI)は、弱くなった血管や狭くなった血管などの通路を開いておくために用いる小さなメッシュ状のチューブと説明する。金属のメッシュのみのベアメタルステント、再狭窄を防ぐ薬剤を塗布した薬剤溶出ステント、金属メッシュの上を漏れない素材で覆ったステントグラフト、気道に用いるシリコーン製のものなどがある。冠動脈、頸動脈、大動脈、肺の気道に留置される。
精子を運ぶ管である精管の内腔を物理的に塞ぎ、精子の通過を妨げる避妊の方式である。ホルモンに作用しないため、視床下部・下垂体系を介さない非ホルモン性の男性避妊手法として位置づけられ、注入型ポリマーを用いる方法が研究されている。注入した閉塞材を後から除去して再開通させる設計も検討されている。
皮膚がんのモニタリングのために、患者の見えるすべての皮膚病変を記録する皮膚科の技術。3D全身写真撮影(3D-TBP)はその新しい形態。
体外に血液を導いて人工肺で酸素を与え、体内へ戻すことで心臓と肺の働きを代行する生命維持法である。国際団体ELSOは、自身の臓器が働けないほど重症な患者を支える人造の心臓と肺であり、疾患そのものを治すものではなく、心臓や肺が休んで回復する時間を作るものだと説明する。大きな静脈から血液を抜き動脈へ戻して心肺の双方を支えるVA ECMOと、心臓の手前に血液を戻して肺のみを支えるVV ECMOに分かれる。
米国FDAの制度で、市販承認前の医療機器を臨床試験に用いて安全性・有効性データを収集することを認めるものである。得られたデータは市販前承認(PMA)や市販前届出(510(k))の申請根拠となる。重大なリスクを伴う機器を用いる試験では、治験審査委員会の承認に加えFDAによる承認が必要となる。
疾患・障害・状態・外傷を治療または緩和することを意図し、患者の健康に対して実証可能な治療効果をもつ医学的介入を生成し提供するヘルスソフトウェアである。業界団体 Digital Therapeutics Alliance はこう定義したうえで、真正なDTx製品が満たすべき原則として、臨床的に意味のある評価項目を含む試験結果を査読誌に公表すること、リスク・有効性・使用目的に関する製品の主張を裏づけるために必要な範囲で規制当局の審査を受けクリアランスまたは認証を得ること、実世界データと製品の稼働データを収集・分析して製品に反映することなどを挙げている。
Cureus 誌に掲載された総説によれば、顕微鏡でガラス標本を観察してきた従来の病理診断を、標本を高解像度のデジタル画像に変換し、保存・解析・電子的な共有ができるようにする取り組みである。中核となるのはガラス標本を高解像度で電子化する全スライドイメージング(WSI)システムであり、画像解析ソフトウェアやAIと組み合わせることで、観察者間のばらつきの低減や遠隔病理診断が可能になるとされる。
同等性の基準となる既存機器が存在しない新規機器について、一般管理単独または特別管理との組合せで安全性・有効性の合理的保証が得られるとして、クラスIまたはクラスIIへの分類を求めるFDAの市販経路。根拠はFD&C法513条(f)(2)で、実施のための最終規則は2021年に発出された。